山口:馬場さん自身はどういったものから影響を受けますか?
馬場:その質問よくされるんですよね(笑)。昔の映画や写真集を見て、良いスタイリングがあれば真似してみようって思います。そもそもファッションは真似からはじまると思ってます。
山口:それは写真と似ているかもしれないですね。写真集を見てこういう写真を撮ってみたいなっていうところから始まる。いまのストリート・ファッションを見ていて、アドバイスしたくなることはありますか?
馬場:特にないですね。みんなおしゃれじゃないですか。逆に全員おしゃれだから、面白くないんですよね。
山口:それはいいことじゃないんですか?
馬場:おしゃれな人とダサい人がいるから、そこにカルチャーが生まれるんですよ。ハービーさんがいた頃のロンドンも、貧富の差があったからこそ、カウンターカルチャーとしてパンクが生まれたわけですし。みんなが一緒だとなにも生まれないのかなって。
山口:新しい文化が生まれる背景として、世の中への不満だったり、そこから抜け出そうとするエネルギーが必要になってくるってことですかね。
馬場:ファッションに限らず、若い頃に失敗や成功を重ねて、多くの経験をすることでセンスも磨かれていくんだと思います。
山口:講義で学生に話したこともあるんだけど、特急列車でまっすぐ目的地に向かうよりも、いろんな場所に寄り道して、予期もしなかったことを経験する方がいい。その方がきっとリッチな人生を送ることができると思うから。
ハービー・山口さん(左)と馬場圭介さん(右)。
トークショー直前の控え室にて。
掲載号:SHUTTER magazine Vol.17
(2015年6月30日発売)
【関連情報】
プリティーグリーン https://prettygreen.co.jp/
ハービー・山口 http://www.herbie-yamaguchi.com/