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アーティスト写真&ジャケット写真の歴史【70年代編】

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「これだけは知っておきたい!」という、時代を熱狂させた作品の数々を、欧米と日本の流れを比較しながら、各年代ごとに解説。2回目は、パティ・スミスから篠山紀信まで、70年代に発表されたアー写、ジャケ写を見てきたいと思います。
解説=山田敦士(写真家・SHUTTER編集長)

60年代〜海外のアーティスト写真・ジャケット写真

肥大化していく消費社会の中で、60年代後半にヒッピーたちが登場する。ベトナム戦争への反対運動からはじまったフラワームーブメントは、世界中を席巻。ロンドンではデヴィッド・ボウイなど過激で女性的なファッションに身を包んだグラムロックが登場。’75年にはNYパンクの女王、パティ・スミスがデビュー。アルバム写真を撮ったのはロバート・メイプルソープ。パンクはやがてロンドンに飛び火して社会現象になる。当時のジャケやアー写はまさに「自由」を求めた何でもありの表現が多数。

1975年

「HORSES」パティ・スミス
ロバート・メイプルソープ 撮影
レーベル:Arista

NYパンクの女王。過激な詞と存在感に比べ、当時の写真は無垢な少年のよう。のちにエイズで夭折するメイプルソープが撮影した70年代を代表する1枚。

1976年
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「VIRGIN KILLER」 スコーピオンズ
レーベル:RCA
▼現在のジャケはこちら

ジャケットの過激さで発売禁止になってしまったことで有名。

1979年

「LONDON CALLING」ザ・クラッシュ
ペニー・スミス 撮影
レーベル:ソニーミュージック

パンク・バンド、ザ・クラッシュのジャケット写真だが、じつはプレスリーのパロディ。弱者を代弁し、体制へ抵抗するロックの精神。ロック・フォトグラファーとして有名なペニー・スミスが撮影している。

70年代〜日本のアーティスト写真・ジャケット写真

日本における消費社会のはじまり。この時代から音楽、雑誌や広告写真の需要が一気に高まる。音楽の世界で言えばPOP=歌謡曲が主流。特にアイドル系の写真と言えば篠山紀信がそのフォーマットを築いた開拓者と言える。かたや当時、日本人としてデヴィッド・ボウイやT.REXの写真を撮影した鋤田正義も押さえておきたい。レアな写真集と言えば、立木義浩が日本のブリジット・バルドーと呼ばれた加賀まりこを撮影した名作、「PRIVATE 私生活」。

1970年

「山口百恵 激写/篠山紀信」 [DVD]
篠山紀信 撮影(DVD・2004年)
販売元:ソニーミュージック

’79年にNHKで放映された特番を再編集したDVD。アイドル=時代だった頃。

1971年

「PRIVATE 私生活/加賀まりこ」 (1971年)
立木義浩 撮影
出版社:毎日新聞社

和製ブリジット・バルドーと呼ばれていた、加賀まりこを撮影した名作写真集。多数の女優たちのヌードをおさめた「EVES イブたち」も不朽の名作。

1977年

「Heroes」デヴィッド・ボウイ
鋤田正義 撮影
レーベル:EMIミュージックジャパン

シーレの自画像を真似たポーズ。ボウイがパントマイムに傾倒していく頃。世界的に有名なアルバムのジャケットだが、原宿のスタジオで撮影されている。

消費文化が華やかなりし頃、さまざまなアプローチによるジャケット写真が生まれていく。
次回は、MTVが世界を席巻した時代、日本経済がバブル絶頂期へ突き進んでいく80年代のアー写、ジャケ写の解説です。お楽しみに。

掲載号:SHUTTER magazine Vol.4
(2012年12月30日発売)

【関連情報】
山田敦士 オフィシャルサイト http://www.atsushiyamada.com/

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