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写真展の舞台裏 Joji Shimamoto

写真家が、作品をストレートに発表する場である写真展。自身もスケーターであり、ストリートを撮る写真家として精力的に活動を行うJoji Shimamotoさんに、プリントのサイズや展示方法など、さまざまな会場での、オリジナルな作品の見せ方について、インタビューしました。
写真・インタビュー=タナカトシノリ、文=編集部

――西武渋谷店での個展開催、おめでとうございます。今回の『オルタナティブ・スペース』は、注目の若手作家を紹介する会場ですが、展示作品のコンセプトを教えてください。

Joji:1年ほど前に、今年ブラジルフェアを西武渋谷店で開催する、ということを聞いたんですけど、たまたま先日、僕が開催した『#BCTION』(解体寸前のオフィスビルをアートで埋め尽くすプロジェクト)へ、美術画廊の担当ディレクター、寺内俊博さんが来てくれたときに、「Jojiくん、ブラジルで撮った写真ある?」と声をかけてくれたのがきっかけですね。

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――今回の展示写真は、ブラジルで撮影された写真なんですね。

Joji:そうです。僕自身、スケボーを昔からやっていて、プロスケーターに同行し、世界大会で写真を撮る、という仕事をスケートブランドからときどき依頼されるんですけど、ブラジルの大会に行ったときに撮影したものですね。

――額装は、シンプルな黒い額ですね。全体的にサイズのとても大きなプリントが並んでいます。

Joji:ギャラリーのような展示会場は、来場者が1対1で作品と対峙できる場所なので、クラシックなモノクロのプリントを、大きなサイズで見せたかったんです。額も、シンプルなものを使っているのは、そういった理由です。作品を購入してくれる人が、どういった部屋に飾ってくれるのか、といったこともイメージして、展示作品やサイズなどを決めています。

――ギャラリー以外にも、レストランやクラブなど、いろんな場所で展示を行っていますね。

Joji:僕の場合はその都度、会場に合った方法で作品を見せるようにしています。55DSL(ディーゼルが展開していたショップ)では、ベニヤ板に貼ったプリントの上にグラフィティを描いてもらい、その上にまた作品を貼るなど、ストリート感を感じてもらえる構成にしました。

――ファイヤーキングジャパンとのコラボでマグカップを制作したり、TシャツやワインのラベルデザインにもJojiさんの作品が使用されています。

Joji:写真って、いろんな展開の仕方ができるので、そういったプロダクト(商品)としての見せ方はありですよね。日本では、なかなか気に入った写真をすぐ買う、という風にはならないけど、商品なら手に取りやすいし、アートを購入する入口として、作品に触れてもらえたら、と思います。

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自作のzine(ミニ写真集)やコラボアイテムのワイン、iPhoneケース、マグカップなど。写真の見せ方は、展示だけじゃない。幅広い活動を行っている。

――ブランドやメーカーとのコラボは、どういったきっかけから生まれるのでしょうか。

Joji:今回の写真展もですけど、ふとした出逢いからスタートすることが多いので、自分で制作したzine(少部数のミニ写真集)を作り、いつも持ち歩いています。イベントで会った人に「どんな写真撮ってるの?」って聞かれたら、プレゼントしています。いまは、iPhoneでも写真が撮れる時代。写真撮ることが簡単になったからこそ、最初の印象が大事なんじゃないかなって。

――モノクロの写真が多いですね。

Joji:高校生のときに、アメリカの学校で暗室作業を始めたというのもあるし、自分の中では、モノクロ=写真、という感じですね。色がないからこそ、ドラマチックだし、いろんなことを想像できるので。

――写真を見たとき、身近なシーンを自分に重ね合わせてしまうのが、Jojiさんの作品の魅力です。

Joji:写真を始めた10代のときから、自分自身の身の回りの出来事を撮る、〝セルフドキュメンタリー〟が僕の写真のテーマです。よく、映画的な写真と言われるのですが、人生の何気ない瞬間にこそ、ドラマがある。作品を購入してくれた人に対しても、その人が朝から元気になってくれたり、1日の終わりに眺めて、癒しを感じてくれるような写真を、撮り続けていきたいですね。

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Jojiさんのポートフォリオ。A3ノビサイズ、約40枚で構成。あえてジャンルを特定せず、人物、ストリート、静物などさまざまな被写体の写真を入れている。

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多くの写真を、モノクロで手がけるJojiさん。昨日撮ったものが30年前に見えたり、はたまた、未来の写真にも見える。タイムレスな風合いが、ドラマチックな物語を生む。

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Joji Shimamoto(写真家)
1983年生まれ。サンフランシスコで写真を学び、自身もスケートボーダーとしてアメリカのリアルなサブカルチャーに触れ、数々の写真展を開催する。ボルコム、ファイヤーキングジャパンなどコラボ多数。
www.jojishimamoto.com

掲載号:SHUTTER magazine Vol.17
(2015年6月30日発売)

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