アーティスティックな感性が光る美島菊名さんの作品。美島さん独自の視点で、被写体の新たな一面を引き出す方法に迫ります。
美島菊名さんの作品
まだ見ぬものを形にしたい。
被写体の個性を、写真で表現する。
いつも事前に手書きのラフを描き、自分の頭の中にある絵を形にする、という手法で撮影を行っています。今回はアーティストさんのポートレートということもあり、楽曲を聴きながら、イメージを膨らませています。作品のコンセプトですが、鳥は男性や自由を表現していて、それが円を描いて飛ぶことで、女性という存在を肯定するという意味づけを行いました。最終的には黒木さんが持つ女性らしさを表現するために鳥を1羽だけにして、肯定のメタファーを丸窓で表すなど、いくつかのアイデアを提案しながら、仕上がりの絵を決めています。アーティストや女優さんの撮影は、自分の価値観に被写体の個性が加わることで新しい作品が生まれる、という点が魅力だと思います。
撮影前にはラフを描き、出来上がりのイメージを提案することが多いそうです。
傘をつけたストロボを白いボードに反射させて、拡散させた光を、片側から当てて撮影を行いました。
剥製の鳥やギターといった小道具を使い、自分なりの世界観を演出した美島さん。鳥はスタンドに固定したり、人物とは別に撮影して、最後に合成しています。
掲載号:SHUTTER magazine Vol.15
(2014年12月30日発売)